カーボンニュートラルとは?
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、全体で見たときにゼロにすること、またそのための取り組みをいいます。
2020年10月26日、当時の菅内閣総理大臣をトップとする日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体でゼロにする、カーボンニュートラルを目指すと宣言しました。これは日本のみではなく、世界共通の目標です。
2015年の「国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)」でのパリ協定を切っ掛けに、カーボンニュートラルに向けて世界各国が取り組みを進めており、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を持っています。
この目標の実現のためには、温室効果ガスの排出量の削減だけでなく、吸収作用の保全及び強化が必要です。さまざまな部分で排出量を減らしつつ、CO₂を吸収する量を増加させることで、プラスマイナスゼロを目指す取り組みがカーボンニュートラルなのです。
2020年10月26日、当時の菅内閣総理大臣をトップとする日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体でゼロにする、カーボンニュートラルを目指すと宣言しました。これは日本のみではなく、世界共通の目標です。
2015年の「国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)」でのパリ協定を切っ掛けに、カーボンニュートラルに向けて世界各国が取り組みを進めており、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を持っています。
この目標の実現のためには、温室効果ガスの排出量の削減だけでなく、吸収作用の保全及び強化が必要です。さまざまな部分で排出量を減らしつつ、CO₂を吸収する量を増加させることで、プラスマイナスゼロを目指す取り組みがカーボンニュートラルなのです。
カーボンニュートラルに取り組む意味
日本の平均気温は、1900年から2020年までの120年間に約1.5度上昇したことがわかっています。同様に世界の平均気温も上昇を続けており、このままの状況が続けばさらに上がっていくと予測されています。
気温上昇にともなって考えられるのは、大きな被害を伴う気候変動です。すでに豪雨、猛暑といった変化が見られはじめていますが、これらのリスクは気温上昇に連動してさらに高まっていきます。もはや「気候変動」ではなく、人類や生き物にとっての生存基盤に関わる「気候危機」ともいわれているのです。
気温上昇、気候変動の原因である温室効果ガスは、人々が経済活動や日常生活を行うにあたって常に排出されているものです。しかし温室効果ガスの排出を減らすと同時に吸収を促進し、全体として排出量をゼロにするならば、気温の上昇を緩やかにすることができると考えられます。危機に関わる問題を解決し、持続可能な経済社会をつくるためには、カーボンニュートラルに取り組む必要があるのです。
気温上昇にともなって考えられるのは、大きな被害を伴う気候変動です。すでに豪雨、猛暑といった変化が見られはじめていますが、これらのリスクは気温上昇に連動してさらに高まっていきます。もはや「気候変動」ではなく、人類や生き物にとっての生存基盤に関わる「気候危機」ともいわれているのです。
気温上昇、気候変動の原因である温室効果ガスは、人々が経済活動や日常生活を行うにあたって常に排出されているものです。しかし温室効果ガスの排出を減らすと同時に吸収を促進し、全体として排出量をゼロにするならば、気温の上昇を緩やかにすることができると考えられます。危機に関わる問題を解決し、持続可能な経済社会をつくるためには、カーボンニュートラルに取り組む必要があるのです。
カーボンニュートラル実現に向けた取り組み
現在カーボンニュートラルを実現するために、世界各国で多様な取り組みが進められています。ここでは、その取り組みについて、どのようなものがあるかを具体的に解説します。
電力の再生可能エネルギーへの転換
従来多く使われてきた火力発電では、CO₂を大量に排出することが問題でした。カーボンニュートラルを実現するためには、発電段階でCO₂を出さない、もしくはCO₂を増やさない、再生可能エネルギーへの転換が重要です。現在、再生可能エネルギーによる発電への取り組みが世界各地で行われています。
再生可能エネルギーを使用した発電とは、具体的には太陽光発電、風力発電などで、なかでもカーボンニュートラルの考え方に沿ったものがバイオマス発電です。この発電方法では燃料を用いずに廃材や廃棄物、生ゴミや畜産における家畜排泄物などを原料として発電しているため、CO₂を排出しません。日本でもバイオマス発電所は増えてきています。
再生可能エネルギーを使用した発電とは、具体的には太陽光発電、風力発電などで、なかでもカーボンニュートラルの考え方に沿ったものがバイオマス発電です。この発電方法では燃料を用いずに廃材や廃棄物、生ゴミや畜産における家畜排泄物などを原料として発電しているため、CO₂を排出しません。日本でもバイオマス発電所は増えてきています。
省エネの設備を導入
省エネ設備を導入することは、温室効果ガスの排出削減につながります。これは企業にもいえることですが、一般の家庭においても同じです。
例えば現在注目されているのが、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)です。ZEHは、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロになることを目指した住宅のことをいいます。断熱性に優れ、太陽光発電とエネルギー効率の良い設備を備えることで二酸化炭素排出量を抑えています。
さらに近年ではLCCM(ライフサイクル・カーボン・マイナス)住宅も登場しています。LCCMは家に住まうそのときだけではなく、建築から解体、廃棄までを通して、CO₂を排出しないように設計された住宅です。住むときのことだけを考えたZEHよりもさらに一歩踏み込んだCO₂対策といえます。
例えば現在注目されているのが、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)です。ZEHは、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロになることを目指した住宅のことをいいます。断熱性に優れ、太陽光発電とエネルギー効率の良い設備を備えることで二酸化炭素排出量を抑えています。
さらに近年ではLCCM(ライフサイクル・カーボン・マイナス)住宅も登場しています。LCCMは家に住まうそのときだけではなく、建築から解体、廃棄までを通して、CO₂を排出しないように設計された住宅です。住むときのことだけを考えたZEHよりもさらに一歩踏み込んだCO₂対策といえます。
森林保全
カーボンニュートラルを目指すためには、温室効果ガスの排出削減だけでなく吸収量を増やすことも重要です。そこで光合成によりCO₂を吸収する作用のある樹木を植え、森林保全を行っていく努力が必要とされています。
個人でも森林保全活動へ参加したり、森林認証の認証マークがついた木材製品を購入したりすることで、森林保全に協力することが可能です。
個人でも森林保全活動へ参加したり、森林認証の認証マークがついた木材製品を購入したりすることで、森林保全に協力することが可能です。
企業の取り組みと私たちにできること
企業でもカーボンニュートラルに向けてさまざまな取り組みが行われています。カーボンニュートラルの現状や、私たちにできることを確認してみましょう。
企業による取り組みと課題
現在では、全世界的にさまざまな企業が加盟し、環境問題への取り組みを行う企業連合が複数存在しています。このような企業連合を、国際イニシアティブと呼びます。
国際イニシアティブにはいくつかありますが、代表的なものは以下の3つです。
国際イニシアティブにはいくつかありますが、代表的なものは以下の3つです。
■EP100(Energy Productivity100%)……省エネ効率を高めることによって、温室効果ガスの排出量を抑制する取り組み。例えばビル全体で二酸化炭素排出量をゼロにするZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)など
■RE100(100% Renewable Electricity)……事業活動に要するエネルギーを100%再生可能エネルギーでまかなう取り組み
■EV100(Electric Vehicles 100%)……事業活動で使用する自動車を100%電気自動車へと変える取り組み
これらの事業を進めることで温室効果ガスの排出量を減らそうとしていますが、課題も残されています。
温室効果ガスを減らすことは、無駄を減らすと同時にコスト削減をすることでもあります。適切なコスト削減を行うためには、まず設備を整える等の資金が必要で、資金が十分でない場合は温室効果ガスの削減効果も小さくなることが課題です。さらに日本は2021年のSDGs達成度ランキングにおいて18位で、環境問題に対する意識の低さが問題となっています。
■RE100(100% Renewable Electricity)……事業活動に要するエネルギーを100%再生可能エネルギーでまかなう取り組み
■EV100(Electric Vehicles 100%)……事業活動で使用する自動車を100%電気自動車へと変える取り組み
これらの事業を進めることで温室効果ガスの排出量を減らそうとしていますが、課題も残されています。
温室効果ガスを減らすことは、無駄を減らすと同時にコスト削減をすることでもあります。適切なコスト削減を行うためには、まず設備を整える等の資金が必要で、資金が十分でない場合は温室効果ガスの削減効果も小さくなることが課題です。さらに日本は2021年のSDGs達成度ランキングにおいて18位で、環境問題に対する意識の低さが問題となっています。
普段から家庭でできる取り組み
カーボンニュートラルという目標に対して、普段から家庭でできる取り組みもあります。むしろ温室効果ガスを削減するためには、各家庭の一人ひとりが意識的に取り組まなければ、目標の実現は難しいでしょう。
取り組みやすい行動としては、できるだけ自家用車を使用せずに公共交通機関を利用する、使わない電気をこまめに消す、などといったことがあります。自家用車のCO₂排出量は日本全体の排出量の約8%で、効率の低さが目立つ輸送方法です。使わない電気を消すことは、何を用意することもなく少し気をつけるだけの手軽な方法といえるでしょう。
食事や買い物を工夫して食品ロスを減らしたり、家電を買い替えて省エネの家電を使ったりすることも有効です。可能であれば断熱構造の住宅を建てる、あるいは省エネ効率のよい家に住み替えることも効果があります。家で使っている電気の契約を、再生可能エネルギーを利用した電力会社に切り替えるという方法もおすすめです。
カーボンニュートラルという世界共通の課題を他の国や企業に任せるだけでなく、一人ひとりがしっかりと問題意識を持って暮らしていけば、課題の解決に一歩近づけるでしょう。
取り組みやすい行動としては、できるだけ自家用車を使用せずに公共交通機関を利用する、使わない電気をこまめに消す、などといったことがあります。自家用車のCO₂排出量は日本全体の排出量の約8%で、効率の低さが目立つ輸送方法です。使わない電気を消すことは、何を用意することもなく少し気をつけるだけの手軽な方法といえるでしょう。
食事や買い物を工夫して食品ロスを減らしたり、家電を買い替えて省エネの家電を使ったりすることも有効です。可能であれば断熱構造の住宅を建てる、あるいは省エネ効率のよい家に住み替えることも効果があります。家で使っている電気の契約を、再生可能エネルギーを利用した電力会社に切り替えるという方法もおすすめです。
カーボンニュートラルという世界共通の課題を他の国や企業に任せるだけでなく、一人ひとりがしっかりと問題意識を持って暮らしていけば、課題の解決に一歩近づけるでしょう。
カーボンニュートラルは、持続可能な地球での生活を守るために重要な対策です。非常に大規模な取り組みですが、この取り組みには個人の参加が欠かせません。
企業活動も大量の温室効果ガスを排出しているので、大きく方向転換する必要があります。しかし企業だけでなく、個人個人、一人ひとりが環境に対する問題意識を持つことが大切です。日頃から温室効果ガスの排出量について、また地球温暖化について、意識しながら生活を送りましょう。
企業活動も大量の温室効果ガスを排出しているので、大きく方向転換する必要があります。しかし企業だけでなく、個人個人、一人ひとりが環境に対する問題意識を持つことが大切です。日頃から温室効果ガスの排出量について、また地球温暖化について、意識しながら生活を送りましょう。