無添加とは?私たちや環境へのメリット、選ぶポイントを紹介

無添加とは?私たちや環境へのメリット、選ぶポイントを紹介

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近頃、「無添加」と表示されている食品や化粧品が増えています。無添加とは、具体的に何を表しているのでしょうか。「無添加の製品は体にいい」という漠然としたイメージを抱いている人もいるかも知れません。体や環境へ配慮するために無添加を選ぶなら、無添加の意味やメリットなどをくわしく把握しておくことが大切です。 この記事では、無添加の意味とともに、無添加の製品を選ぶメリットとデメリットを解説します。無添加のものを選ぶ際に意識したいポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

そもそも添加物とは?

一般的に「添加物」と言う場合、食品添加物のことを表しています。食品添加物は、食品の製造、加工、保存の際に使用する物質です。

食品に食品添加物を加える理由は、状況によってさまざまです。たとえば、味、香り、見た目をよくするため、食品をより長く保存できるようにするためなどが挙げられます。より短時間で手間なく食品を作ることも可能です。

また、食品だけでなく化粧品にも使用されています。化粧品に添加物を加える理由も、食品と同様です。長く保存できるようにしたり、香りや色をつけたりするために添加物が活用されています。また、化粧品の泡立ちもよくなります。

添加物の使用により、私たちは生活に必要なものをより安く手に入れられるようになりました。そして、より早く多くのものを入手できるようになっています。

無添加とは?

「無添加」とは、何らかの添加物が使われていないことを言います。人、社会、環境などに配慮してものを消費する方法として「エシカル消費」という概念があり、誰でもできる社会貢献として近年注目を集めるようになりました。このエシカル消費の一つとして、無添加の製品を選ぶ人も増えています。

しかし、無添加という言葉だけでは、何の添加物が使われていないのかまでは分かりません。製品によって異なる添加物が使用されているため、無添加と表示されている場合に何の成分が含まれていないのかについては個別に確認する必要があります。
基本的に、添加物を一切加えずに製品を作るのは困難な場合がほとんどです。そのため、どの添加物を使用していないのかが分かるよう、多くの製品には「保存料無添加」や「香料無添加」などと表示されています。

なかには「無添加」という表示しかされていない製品もあります。しかし、単に「無添加」と表示されていても、特定の添加物が含まれていないだけで実際には何からの添加物が含まれているパターンも多いです。たとえば、加工の際に使用する調味料に添加物が含まれている場合や、香料は使用していないものの保存料が入っているケースなどがあるため、自身に避けたい添加物がある際はパッケージ表記だけでなく、詳細を確認するなどして注意しましょう。

無添加生活のメリットとデメリット

食品添加物をできる限り避けて体や環境にやさしい無添加食品を選ぶ暮らしは、無添加生活と表現できます。無添加生活を始める目的は、人によってさまざまです。たとえば、自分自身の体や肌を健康に保ちたい、自然派志向で暮らしたい、食品添加物や農薬による危険を減らしたいといった目的からこの生活を選ぶ人がいます。

ここでは、無添加生活のメリットとデメリットについて紹介します。

メリット① 私たちの健康を守ることができる

無添加生活を始めれば、自分たちの健康に対する良い影響を期待できます。添加物のなかには、健康問題を引き起こすリスクが指摘されているものもあるためです。もちろん、添加物の使用については一定の基準が設けられており、添加物を摂取してすぐに重大な健康問題につながるわけではありません。しかし、添加物をなるべく避けて生活すれば、そのようなトラブルにさらされる可能性をさらに下げることが可能です。

また、添加物が加えられていない食品は、素材そのものの美味しさを感じ取れます。 無添加生活により腸内環境がよくなり、肌荒れが改善する人もいるという報告もあります。ていねいな暮らしを実践したいという人の中には、無添加生活を取り入れる人が多くいます。

メリット② アニマルウェルフェアに配慮できる

食品添加物は、動物実験により安全性が確認されています。安全かどうかまだ分からない添加物を与えられた動物には、当然ながら大きな負担がかかります。添加物を短期間に多く摂取したり、長期間ずっと食べ続けたりするケースもあり、動物の健康に対して悪影響を与えている可能性が高いのです。

多くの人が無添加生活を意識すると動物実験が必要なくなっていき、動物への負担も減らせます。動物のストレスを軽減でき、アニマルウェルフェアへの配慮が可能です。

デメリット① 無添加のものの見分けが大変

無添加の食品を購入するにはパッケージの原材料表示を確認する必要がありますが、すべての食品の原材料表示をいちいち確認するには、手間がかかります。

また、加工して販売されている多くの食品には、当たり前のように添加物が使用されている点にも注意が必要です。無添加の食品を探そうとしても、なかなか見つからない可能性があります。

デメリット② 食費が高くなる

添加物は、より低コストで食品を作るために使用されている場合も多いです。それに比べて、無添加の食品は、一般的な食品よりも価格が高めに設定されています。食品の種類にもよりますが、無添加の食品は一般的な食品の2倍程度の価格がついている場合も。自分の口に入る食品をすべて無添加にしようとすると、食費が高くなる可能性があるでしょう。

無添加のものを選ぶ際のポイント

最近は、パッケージに「無添加」と記載されているものも増えていますが、何が無添加であるかについては原材料表示や成分表示を確認することが大切です。何が無添加であるかの基準は商品やメーカーによって異なるため、必ず詳細を自分の目でチェックしましょう。

食品については、厚生労働省が食品添加物の基準を定めています。そのなかには、昔から利用されてきた、クチナシやニガリなどの自然に由来するものも含まれています。これらが含まれている食品は無添加と表示できません。しかし、無添加生活を始める目的によっては、これらの成分は避ける必要がないと感じる人も多いでしょう。

また、食品添加物に指定されていなくても、発がん性が指摘されている成分もあります。たとえば、うまみ成分として使われるタンパク加水分解物があげられます。タンパク加水分解物は、たとえばラーメン、おかき、だしの素などに含まれている場合が多いです。タンパク加水分解物を含んでいても、ほかの食品添加物を含んでいなければ「無添加」と表示できるため、注意しましょう。

無添加にこだわるなら、自分が具体的にどのような成分を避けたいのか明確にしておくことが大切です。成分の目的や健康への影響に関する知識を少しずつ増やし、原材料表示や成分表示を自分の目で見て判断できるようにしましょう。

無添加生活を続ける4つのコツ

無添加の食品を見分けるには手間がかかります。無添加生活を続けるには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。ここでは、無添加生活を続けるためのコツを4つ紹介します。

無理をせず、身近な調味料から始める

無添加生活を継続するには、決して無理をしないようにしましょう。いきなりすべての食品を無添加にする必要はありません。調味料を無添加のものに変え、無添加食品の味わいに慣れるところから始めることをおすすめします。まずは、醤油、みそ、みりんなど、日常的によく使用している調味料を無添加のものに変えてみましょう。

原材料を気にしすぎない

すでに説明したとおり、販売されている食品のほとんどには食品添加物が加えられています。無添加生活を続けるには、ある程度は妥協することも大切です。原材料表示を確認し、添加物が少なければそれを購入しても構いません。とくに、最初のうちは完璧を求めすぎるとうまくいかなくなる可能性が高いため、できる範囲で対応すれば十分です。

無添加生活を開始すると、原材料のすべてにこだわりすぎてしまう人もいます。添加物が含まれていない食品を選ぶのが理想的ではありますが、気にしすぎるとストレスがたまる原因になるので、楽しみながらマイペースに続けるようにしましょう。

周りの人に無添加生活をしていることを言う

無添加生活を始めたら、周囲の友人や知人に公言してみましょう。そうすれば、どのような場面でも堂々と無添加のものを選べます。無添加生活を始めた理由も共有すると、相手も興味を持って一緒に無添加生活を楽しめるかもしれません。

また、無添加にこだわっていることを周囲に話しておけば、友人や知人が無添加の食品に関する情報を入手したときに教えてもらえるかもしれませんね。

外食するときは気にしすぎない

無添加生活を始めても、外食するときはあまり気にしないようにしましょう。自分で店を選ぶときは、価格の安いチェーン店よりは食材にこだわっている店を選ぶほうが摂取する添加物は少ないでしょう。しかし、飲食店で提供されている食品のすべての成分をチェックすることは難しいため、割り切って食事を楽しむことをおすすめします。

とくに、友人や知人と外食する際に無添加を意識しすぎると、食べたいものを提案しにくいなど、関係に影響が出る可能性もあります。相手に気を遣わせすぎないよう、配慮が必要です。たとえファーストフードを食べても、たまに食べるくらいであれば健康問題につながるリスクは低いので、罪悪感を持つ必要もありません。
添加物を気にしていない人がいることを認識し、自分自身の考えを押し付けないようにする配慮も大切です。

普段の生活の中で無添加のものを選ぶことは、より健康的になったり食材そのもののおいしさを楽しむことに繋がります。無添加生活を楽しみながら、健やかに日々の生活を過ごしていきましょう。
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