世界初のリサイクルアルミ100%使用飲料缶を実現、CO2排出量を60%削減

世界初のリサイクルアルミ100%使用飲料缶を実現、CO2排出量を60%削減

  • icon
  • icon

東洋製罐グループホールディングスは、脱炭素社会と持続可能な社会の実現に向けて、サントリー、UACJとの協業で、2022年9月6日発売予定のCO260%削減缶を使用した「ザ・プレミアム・モルツ CO2削減缶」および「ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エールCO2削減缶」向けに、リサイクルアルミ100%(※1)で生産した缶胴・蓋を数量限定で供給する。

缶胴・蓋ともUACJが新規に供給するリサイクルアルミを100%使用することにより、1缶当たりのCO2排出量を通常品より60%削減(※2)する。

リサイクルアルミ100%使用飲料缶の量産化に向けて

国内の飲料用アルミ缶はリサイクル率が96%と高く、また缶から缶に再利用する「水平リサイクル」が確立されている製品だ。従前より缶胴には新地金にリサイクルアルミを配合した材料が使用されてきたが、缶胴・蓋トータルのリサイクルアルミの配合率は直近でも6割弱(※3)と推定され、依然として蓋を中心に新地金が使用されている。これは、材料の加工性や蓋の強度など、一定の品質を確保するために新地金が使用されてきたことが主な要因と言われている。

CO2排出量の削減は気候変動問題で社会課題となっており、容器にもその削減が求められている。アルミ缶の環境対応に関しては、これまで軽量化を中心としてCO2排出量の削減を進めてきたが、削減を加速させるためにはリサイクルアルミの使用率を高めていくことが最も有効だという結果が出ている。そして、アルミ再生地金生産時のCO2排出量は新地金の約3%(※4)であり、排出量を劇的に低減する効果がある。

東洋製罐グループは、アルミ缶に備わる環境優位性を更に高めていくため、「リサイクルアルミ100%使用飲料缶(蓋を含む)の量産化」を将来的に目指しており、生産が実現出来た暁には、缶の資源循環が完結しCO2排出量も大幅に低減することが可能になる。

世界初リサイクルアルミを100%使用したSOT缶を製品化

この取り組みは、アルミ缶における「リサイクルアルミ100%使用飲料缶」の将来の供給実現に向けたトライアルと位置づけ、生産や品質面の課題の抽出や知見の獲得を図っている。リサイクルアルミの蓋への使用は技術的ハードルが高いものの、東洋製罐グループがこれまで培ってきた生産技術や品質管理を行なうことで、「リサイクルアルミを100%使用したSOT(ステイオンタブ)缶」を世界で初めて(※5)製品化することができた。

今後「リサイクルアルミ100%使用飲料缶」の量産化と供給に向けた取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に向けて貢献していく。
1 使用済アルミ缶や、アルミ缶製造過程で発生したスクラップ等を配合した100%缶材由来の再生原料。
※2 アルミ原材料の製造(*1)から缶の製造工程(*2)におけるCO2削減量について、通常の350mlアルミ缶(原材料:UACJ、製造:東洋製罐グループ)と比較調査を実施し、CO2排出量60%削減を確認。

(*1) 日本アルミニウム協会の公式LCI(ライフサイクルインベントリ)データに基づき算定。
(*2) 東洋製罐グループの2019年度生産時における活動量実績および地球温暖化対策推進法CO2排出係数をもとに算定。

※3  「2020年使用済アルミ缶の再利用量(アルミ缶リサイクル協会調べ)」と「缶・蓋生産スクラップの再利用量(東洋製罐グループ実績より推計)」の加算値に「アルミ缶材出荷量(日本アルミニウム協会公開データをもとに推計)」を除して推計。
※4  アルミ1kg生産するのに排出されるCO2量(単位:kg- CO2)
(出典:(社)日本アルミニウム協会「アルミニウム新地金および 展伸材用再生地金の LCI データの概要」)

※5  缶材由来のリサイクルアルミのみを使用し、商用化されたSOT(ステイオンタブ)缶として
(2022年7月 東洋製罐グループ、UACJ調べ)

top